今もなお芸術活動に関わる多くのアーティストの生活環境は良いものとは言えません。札幌を中心とする北海道のアートシーン、北海道だけではなく中央から離れた地方でも状況は同じなのではないかと思います。

 一年中製作に関わっていても、アーティスの仕事だけでは暮らしていけないという話がほとんどです。また、過重労働の結果、若くして体を壊してしまう人も多く、アーティストの賃金や労働環境自体の話をするのがタブー視される現実もあるためか、ハラスメントの問題に対する本格的な相談窓口もありません。
 
HAUSは、来たるべき時代のユニオン設立のための準備と、設立と、波及と、継続のための機関樹立を目的としています。 労働組合の歴史を踏まえながら、芸術家の労働環境を見直すきっかけとして新しい形のユニオン設立に取り組みます。
 
それは、既存の労働組合が長年抱えてきた雇用者と被雇用者の対立構造の因果を脱し、共に並び連帯することです。それが叶えば、アーティスト自身の矜持も保たれ、相互扶助の理念が生きる「憲章」づくりに取り組むことができます。さらには、労働相談ができる窓口の設置なども視野に入れたセーフティーネットの確立を設計します。